こんにちは!みつおデンタルクリニック 院長の高津光雄です。
歯医者で「虫歯が大きいので神経を取ります」と言われて、神経を取った経験のある方は多いかと思います。
神経を取る治療は健康保険で昔から受けられる治療で、簡単な治療と思われる方も多くいらっしゃるかもしれません。
しかし、神経を取る治療はとても難しく、大半は取れていないのが現実です。
↑これは昔神経を取ったという歯ですが、根っこの方で大きな病気ができてしまい、顎の骨が溶けてしまっています。取り残した神経が腐ってしまったためです。
どうしてこのようなことが起こるのでしょうか?それは、神経(歯の根っこ)が複雑な形をしているからです。
根っこ(神経)の治療が難しい理由
↑まず、神経の数の話をします。例えば、上の前から6番目の歯ですが、その歯自体には根っこが3つあります。しかし、神経の数は4つあることがあります。3つのうち1つの根っこの中に2つ神経があるのです。昔はその確率は低いと言われていましたが、現在では6割ほどの確率で4つあると言われています。
ですので、根っこが3つだから神経も3つだろう、という考え方で歯医者が治療すると、6割の確率で神経を取り残してしまうことになります。
↑次に、根っこの形の話をします。根っこはまっすぐではなく、曲がっています。
従来の器具は基本的に曲がらないので、曲がっているところは取り残してしまいますし、根っこを壊してしまう可能性があります。
神経を取り残してしまい状態が悪い場合は、その歯が10年もつ可能性はたったの18%とも言われています。8割以上が、10年以内に歯を抜かないといけないような状態になってしまうのです。
では、そのようなことが起きないような、根っこの治療はどのようにすればよいのでしょうか。
みつおデンタルクリニックでの根っこ(神経)の治療について
みつおデンタルクリニックでは、歯を長く残すことに力を入れております。
↑根っこ(神経)の治療では、現代では顕微鏡(マイクロスコープといいます)、CT、特殊な金属でできた器具(ニッケルチタンファイルといいます)の3つが必要と言われています。
当院ではその3つを保険治療、保険外治療に関わらず使用し、患者様の歯が長く健康でいられるように努めています。
実際の症例とともに説明します。
実際の根っこ(神経)の治療
患者様は上の前から6番目の歯に強い痛みが出てしまい、神経を取らないといけなくなりました。
↑CTで神経の数を確認します。根っこは3つですが、CTでは1つの根っこに2つ神経があるように見えます。
↑顕微鏡で見ながら探すと、ありました。4つ目の神経の入り口を見つけました。
↑CTで見ても、根っこは曲がっています。
↑根っこの曲がりについていける、ニッケルチタンファイルを用いて、中の曲がっている根っこの神経を取っていきます。
↑その後、根っこの中は神経を取ったので空洞になります。そこで再びバイ菌が入って増えないように、しっかりと薬でフタをして、バイ菌が入りこむすき間を無くします。
ここまでで神経(根っこ)の治療は完了になります。
神経を取った歯を長持ちさせるには、かぶせ物も大事
その後、土台を立てて、かぶせ物をして、また食べ物がかめるようになります。
↑かぶせ物でもちゃんとフタをしないと、そこのすき間からバイ菌が入り、根の中で病気を作ってしまいます。
↑歯が長持ちするには、神経(根っこ)の治療とかぶせ物がどちらもしっかりとすき間なくフタをしていないといけません。
みつおデンタルクリニックでは、治療した歯ができる限り長持ちするように、しっかりと治療をしております。ぜひお越しください。
今回の根っこ(神経)の治療について
年齢:30代 男性
治療期間:1週間
治療回数:2回
治療費:(保険治療3割負担の場合) 3,500円程度
【根っこ(神経)の治療のリスク・問題点】
・神経を取る器具が根の中で折れることがある。
・治療の途中で歯が割れた場合は、残すことができなくなり歯を抜くこともある。
・根の病気の大きさや根の状態によっては、治療をしても治らず痛みや腫れが増すこともあり、その場合歯を抜くこともある。
みつおデンタルクリニック 院長 高津光雄