みつおデンタルクリニック
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歯が抜けてしまったところをおぎなう治療について。4つ説明します

歯が抜けてしまったところをおぎなう治療について。4つ説明します

2021/06/27

私は歯を残す治療を積極的に行っていますが、割れていたりするとどうしても残せないことがあります。その場合は歯を抜くことになります。

今回は、歯を抜いて無くなったところをどのようにしておぎなうのかについて説明します。

何もしないで放置するのもあり。しかし危険性があります。

まず、どうして歯が抜けたところをおぎなう必要があるのでしょうか?抜けたところを放置している場合、その周りの歯が抜けたところに移動してきます。そうなると咬み合わせが悪くなります。奥歯でしっかりと咬めなくなり、前歯が当たるようになり、前歯が出っ張ることもあります(出っ歯)。顎の関節に異常を起こす可能性もあります(顎関節症)。汚れが歯に残りやすく掃除がしにくいために虫歯や歯周病を起こす原因にもなります。抜けたところを放置することは、とても危険です。

歯が抜けたところをおぎなう方法は4つあります。①入れ歯 ②ブリッジ ③インプラント ④移植 これらの良い所、悪い所を順番に説明していきます。

①入れ歯

入れ歯は残った歯に金具(バネ)をかけて人工の歯をおぎなう治療です。良い所は、歯型を取るとすぐにできて短期間ですむこと、残った歯をほとんど削らないこと、付け外しができるなどです。

金具の見た目を気にされる患者様には、金具を使わない入れ歯もあります。自然な感じになり、入れ歯だと気づかれにくいことが良い点です。

悪い所はやはり、入れ歯特有のものです。異物感があり気持ち悪いこと、付け外しができる分、洗浄などの手入れが面倒に感じること、天然の歯と比べると食べ物をしっかり咬めないこと、味が分かりにくいこと、動く・外れやすいこと、食べ物が挟まること、痛むこと、話がしにくいなどです。

また、入れ歯は歯ぐきの上に乗っているだけで、食事で咬むと天然の歯よりも入れ歯は10倍動く(沈む)といわれています。金具をかけている歯に、動く入れ歯の負担がかかり続けることになります。負担がかかる歯は抜けやすくなり、もしも歯が抜けると入れ歯に人工の歯を追加していき大きくなり、少しずつ総入れ歯に近づいていく可能性があります。

また、付け外しができる分、他の治療よりも歯が移動する可能性があります。そうなると咬み合わせが悪くなります。

入れ歯の良いところ、悪いところのまとめになります。

②ブリッジ

ブリッジとは両どなりの歯を削り、歯型をとって、ひと塊のつながったかぶせ物を入れる治療です。良い所は、短期間でできること、セメントで固定するので入れ歯のように付け外す必要がなく、異物感が少ないこと、食べ物をしっかり咬めることなどです。

奥歯の支えがしっかりするので、歯の移動・咬み合わせが悪くなる可能性は入れ歯と比べると低いです。

悪い所の一番は、となりの歯を削らないといけないことです。となりの歯が虫歯もなく、何も問題のないきれいな天然の歯でも削らないといけません。

 

歯の断面図を見ると、歯の神経はエナメル質(歯の表面で白く見える部分)に守られています。ブリッジの治療で歯を削ると、そのエナメル質のほとんどを削って失います。歯の抵抗力は下がり、虫歯の細菌に弱くなります。削った後にしみたり、痛みが出ることもあり、ひどい場合は神経を取ることになります。

ブリッジで歯を削ることになっても、神経を取らないように最大限の配慮はしますが、歯の生える方向など状況によっては神経を取ることを避けられない場合があります。

歯を抜くことになるまでの道のりとして、神経を失うことは大きなことです。歯の寿命を大きく縮めてしまいます。

また、となりの歯には過剰な力がかかります。失った歯の分の力の負担をするからです。過剰に力がかかる歯は神経が痛みやすく、将来神経を失う可能性があります。また、元々神経を取っている歯の場合は、過剰な力により歯が割れてしまい、抜歯になる可能性があります。

下の図で、2本で3本分の歯を支えるブリッジがだめになって1本抜歯した場合、今度は2本で4本分を支えるブリッジになります。両端の歯にはもっと過剰な力がかかってしまいます。入れ歯と同じように、歯が順番に無くなっていく可能性があります。

ブリッジの良いところ、悪いところのまとめになります。

③インプラント

インプラントとは、歯が抜けたところの顎(あご)の骨に人工の根っこを埋めて、それを土台にして歯をつくる治療です。ブリッジと同様に、固定するため付け外しの必要がなく異物感は少ないです。

良い所は、やはり歯を削らないことです。ブリッジのようにとなりの歯を削る必要がありません。残った歯の寿命を縮めることがありません。

入れ歯、ブリッジはとなりの歯に過剰な力がかかりますが、インプラントはそれ自体が力を負担してくれます。となりの歯を守ることにもなります。

奥歯の支えがしっかりとするので、咬み合わせも悪くなりにくいです。

自分の歯と近い感覚で食事を楽しめることも、良い所です。

良い所はたくさんあると思われますが、インプラントは外科手術が必要です。顎の骨にインプラントを埋め込みます。よって病気がある方は、状況によってはインプラントができない場合もあります。(医師との相談の上、決定します。)骨が無い場合や、タバコを多く吸われる方も、インプラントができない場合があります。

手術のため、インプラントは治療の期間が入れ歯・ブリッジと比べて長いです。咬めるようになるまで、最低でも数か月、長くて1年以上かかることもあります。

また、インプラントの周りの歯ぐきは天然の歯に比べて抵抗力が弱く、細菌に感染しやすいです。インプラントも歯周病と同じような病気になり、支えている歯ぐきが腫れて、骨が溶けることがあります。抵抗力が弱いため、骨が溶け始めるといっきに骨が無くなることがあるので、治療後のメインテナンス、歯磨きはとても気を付けなければいけません。

インプラントの良いところ、悪いところのまとめになります。

④歯の移植

歯の移植は、最近になり成功率が高まってきた治療法です。お口の中にあるけれど役に立っていない親知らずや、歯の矯正で抜くことになった歯を、抜けたところに移動させます。

良い所は自分の歯を使えることです。上手くいけば天然の歯と同じ感覚で食事を楽しむことができます。

移植を成功させるためには、CTによる詳しい検査が必要です。検査の結果、骨の状態や移植する歯の形によっては移植ができないことがあります。また、治療の期間が長くなってしまうこともありますし、移植したものの骨とくっつかずに抜けてしまうこともあります。限られた条件に当てはまれば、移植の成功率は高まります。

最後に

説明は以上になります。最後に、4つの治療法の良いところ、悪いところをまとめた表をのせておきます。見にくい場合は、拡大してご覧ください。

どの治療法も良いところ、悪いところはあります。当院は特定の治療法をすすめることはありません。患者様がそれぞれの治療法を理解した上で、決められることを一番大事にしております。ぜひご参考ください。

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