こんにちは!みつおデンタルクリニック 院長の高津光雄です。
歯医者で虫歯の検査や歯ぐきの検査(歯周病検査)を受けたことはありますか?
歯ぐきの検査(歯周病検査)は歯と歯ぐきの間の溝の深さ(ポケットといいます)を調べたり、その時の歯ぐきからの出血や、歯を揺らした時にグラグラしていないか(動揺)を調べます。これは保険治療で決められています。患者さんの負担は3割負担で600円~になります。
虫歯検査の費用はタダ(0円)
では、虫歯検査は保険治療でいくらだと思いますか?
実は、0円なのです。保険治療では、「虫歯検査」というものはありません。
患者さんからすれば、0円で虫歯の検査を受けられることは良いことだと思います。
しかし、私が危険だと感じていることは、そのせいで虫歯の検査をしっかりと行う歯医者がとても少ないということです。
虫歯検査が0円の危険性とは
どれだけしっかりと虫歯検査をしても、歯医者の報酬は0円です。そうなると、虫歯検査に時間をかけることはできず、見つかりにくい虫歯(いわゆるかくれ虫歯)の見落としや、虫歯でない着色や汚れなどを虫歯と見間違えることが多発します。
そうなると、本来治療するべき虫歯が見落とされ、治療する必要のない歯が虫歯と間違われて治療される(削られる)危険性があります。
虫歯の治療が終わったと言われたのに歯がしみたり欠けてしまった方や、痛みなどがないのに歯医者でたくさん虫歯があると言われた方は、もしかすると虫歯の見落としや見間違えがあるかもしれません。
正しい虫歯検査の仕方
みつおデンタルクリニックでは、できる限り虫歯の見落としや見間違えのないように、しっかりとした虫歯検査を行っています。もちろん保険治療で行いますので、費用はかかりません。
当院の虫歯検査の流れを説明します。
①まず、お口の中を清掃します。歯と歯の間の虫歯(かくれ虫歯)はよく見落とされてしまいます。歯に汚れ(歯垢:しこう)がついていると虫歯が隠れてしまい、見つけることはできません。
②汚れが取れてきれいになったら、しっかりと水分(唾液)を乾燥しながら、ルーペと顕微鏡を用いて歯を10倍以上の大きさで見て、虫歯が無いか見ていきます。歯に水分(唾液)がついていると虫歯がぼやけて見えてしまいますので、これも見落としや見間違えの原因となります。
③しっかりと見ても、虫歯なのかどうか悩む場合はよくあります。その場合は、レントゲン・CTで確認して、治療する(削る)べきかどうかを判断します。
当院の虫歯検査の流れは以上になります。小型カメラやレーザーを用いた虫歯検査もありますが、虫歯でないものにも反応したりと複雑であることが多い為、当院では使用していません。歯医者が歯とレントゲンをしっかりと見ることが、一番見落としや見間違えの少ない虫歯検査だと思います。
検査で見つけたかくれ虫歯の治療
実際に検査で見つかった虫歯の治療を紹介します。
しっかりと検査し、虫歯を疑う黒い点を発見しました。かなり小さな点でしたので、着色か虫歯か判断しきれませんでした。そこでレントゲンを確認すると、歯の中で大きく虫歯が広がっているのが分かりました。かくれ虫歯です。治療する(削る)必要があると判断しました。
虫歯の入り口を開けると、歯の中で大きく虫歯が広がっていました。虫歯を取り切ると、歯の神経の半分近いところまで広がっていました。これでも全く患者さんは痛みを感じません。かくれ虫歯の怖い特徴です。
当院では虫歯の削り方も独自の方法で行いますので、歯の自然な形(輪郭:りんかく)が残ります。そこにレジンを流し込み、1回で治療を完了できました。
虫歯検査をしっかりとする理由
当院が虫歯検査をしっかりと行う理由は、単純に見落としや見間違えをしたくないからです。かくれ虫歯は基本的に痛みが出ないので、患者さんは気づきません。それを見つけるのは歯医者しかいないからです。
虫歯検査をしっかりと行うことで、本来取る必要のなかった神経や、抜く必要のない歯をたくさん守ることができます。それが、患者さんのその先何十年の健康な生活、食生活を送る支えになると思います。
みつおデンタルクリニック 院長 高津光雄
【今回の虫歯治療(レジン治療)について】
治療期間:1日
治療回数:1回
治療費:(保険治療3割負担)1,500円程度
【白いプラスチック樹脂(レジン)治療のメリット】
・歯を削る量が歯型を取る詰め物よりも少ない
・白く治すことができる
・最短で一回で治せる
・保険がきく
【白いプラスチック樹脂(レジン)治療のデメリット】
・一般的に経年的に変色してしまう
・欠けたり、割れたりする事がある
・レジンアレルギーの心配がある
・術者の技術によって治療後の予後に差が生じる