なんとか抜かずに残せた、根の病気と歯周病で顎の骨が大きく溶けた治療
2024/12/31
今回は、根の病気と歯周病同時になってしまい、顎の骨が大きく溶けた歯を治療した症例について説明します。
目次
歯周病で割れて抜いたほうがよいと言われた
患者様は右上の前歯に違和感があり、かかりつけの歯科医院に行かれたところ、歯周病がひどく歯が割れている可能性が高く抜いたほうがよいと言われたそうです。抜くことはどうしても避けたいとのことで、当院を受診されました。
根の病気と歯周病が同時に発生
右上の前歯の歯ぐきが腫れており、歯と歯ぐきの溝(歯周ポケット)がとても深いため歯周病を疑いました。レントゲン(CT)を撮影したところ、歯を支える骨が大きく溶けて無くなっていました。
前歯の根の先まで骨が溶けており、歯の神経が死んでいる(炎症を起こしている)かもしれないと考え、神経が生きているかどうか診査したところ、神経が死んでいることがわかりました。根っこ(神経)の病気と歯周病が同時に起きていたのです。
歯は割れているのか?
根の先まで顎の骨が大きく溶けていると、歯が割れている可能性を考えないといけません。歯が割れている場合は治療の効果がほとんどなく、長持ちしないため抜いた方がよいとされています。
顕微鏡で歯と歯ぐきの溝を詳しく見た所、見える範囲では歯が割れていることは確認されなかったため、治療で治る可能性があると診断しました。
根の病気と歯周病、どちらが先に起きた?
根の病気と歯周病が同時に起きている場合、どちらが先に起きたのかを検査する必要があります。
歯周病は顎の骨が歯の頭から根っこの方に向かって溶けていきます。反対に、根の病気(根尖病変:こんせんびょうへん)は顎の骨が歯の根っこから頭の方に向かって溶けていきます。
一般的に、歯周病は骨が全体的に溶けていきますが、今回の前歯は骨の一部だけが大きく溶けています。一部だけが大きく溶けている場合は、根の病気が先に起きた可能性が高いです。
目立った虫歯などは無かったのですが、過去にこの歯を強くぶつけたということを聞き、おそらくそれが原因で歯の神経が死んでしまい根の病気ができてしまったと考えました。
根の治療と歯周病の治療、両方行う
どちらが先に起きたとしても、根の病気の治療(根管治療)を始めに行うことが基本です。そしてその後に歯周病の治療を行います。
数か月経過観察を行い、溶けた骨が再生していれば治療は完了になりますが、骨が再生していない場合は歯ぐきと根の手術を行うことになります。
骨が再生。歯を抜かず、手術もしなくて残せた
半年後、歯茎の状態も良く違和感や痛みも無いとのことで、レントゲン(CT)を撮影した所、大きく溶けていた骨が再生していました。
骨が大きく溶けていたので、手術が必要と思われたのですが、手術をすることなく治りました。患者様は抜かないといけないと思っていた歯を残す事ができ、また手術もせずにすんだので大変喜ばれました。本当に良かったです。
歯を残すためには、はじめの検査が大事
レントゲンで骨が大きく溶けていても、それだけで歯を抜くとはなりません。歯が割れていないか、歯周病の状態はどうか、歯の神経は死んでいないかなどを治療を行う前に検査して、総合的に判断することが大切です。
今回の患者様のようにお悩みの方、治療をご希望の方はぜひ、みつおデンタルクリニックへご相談ください。ご精読ありがとうございました。
みつおデンタルクリニック 院長
精密な検査と治療で歯を守る会 代表 高津光雄
健康な歯をできる限り削らない「ハーミノス虫歯治療法®【特許庁・商標登録】」を考案
【今回の治療について】
年齢:40代 女性
治療期間:6ヶ月(経過観察期間を含む)
治療回数:3回
治療費: 精密根管治療費 100,000円(税込)
【精密根管治療のメリット】
・歯を抜かずに残せる可能性が高くなる。
・歯が長持ちしやすくなる。
【精密根管治療のリスク・デメリット】
・外科処置が必要となる場合がある。
・骨が再生するには時間がかかる。
・治療途中に歯が割れたり、保存が不可能と判断した場合は抜歯になることもある。
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みつおデンタルクリニック
〒530-0036
住所:大阪府大阪市北区与力町4-15 ダイナスティ与力101
電話番号 :06-6948-6232
拠点の天満で歯周病治療を実施
高技術な根管治療を天満で実施
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