自費治療をお考えの患者様へ。保険治療との違いを正しく説明します。(根管治療、かぶせ物治療、虫歯治療)

2023/09/23

自費治療をお考えの患者様へ。保険治療との違いを正しく説明します。(根管治療、かぶせ物治療、虫歯治療)

歯が長持ちするために必要なことは「技術・材料(道具)・時間」です。

結論から言いますと、保険治療と自費治療の大きな違いは、「治療にかけられる時間」です。それが治療の精度・歯の長持ちにとても関係します。

以下、詳細をお話します。

みつおデンタルクリニックでは、保険治療の他に自費治療(自由診療・保険外治療)を行っています。最近では歯をできるだけ長持ちさせたいという理由で、初めから自費治療を希望される患者様が増えてきました。

自費治療は保険がきかない治療のことを言います。保険がきかないため、治療費は全額患者様の負担になります。

歯医者の自費治療はどういうものなのか、ご理解されていない患者様は多いとお思います。ただ白いセラミックの歯を入れるだけではないのか？歯医者が患者を騙して高いお金をとろうとしているのではないか？など思われる方もいらっしゃるかもしれません。

実際の所、歯医者も自費治療と保険治療の違いを正しく説明できていないことが多く、患者様も混乱する原因になっていると思います。

以前、患者様から

「保険治療では歯は長持ちしにくい、自費治療では歯が長持ちしやすいと説明された。」

と聞きました。

私に言わせていただくと、その説明は「半分正しくて、半分間違っている」説明になります。

歯科治療では多くの材料(道具)を使います。例えば、歯を削った時につめる材料、歯の型を取る材料、根っこの治療をした時に使う薬や器具などです。

保険治療で使える材料は国に決められています。決められた材料の中で治療を行います。

確かに、材料での精度の差はあります。基本的には保険治療で使える材料よりも、自費治療で使う材料の方が、最新のもので精度の良い治療ができ、歯は長持ちしやすいと思います。

ですが、材料の精度のみで歯の長持ちが決まるのであれば、ベテランの歯医者が治療しても、新米の歯医者が治療しても同じ結果(歯が長持ちする)になるはずですが、実際はなりません。

ベテランと新米の歯医者には技術の差があります。料理人も同じで、どんなに高級な食材を使っても、その人に腕・技術がなければ美味しい料理はできません。よって、使う材料だけでは歯の長持ちに大きな差が出ることはありません。

使う材料とともに、歯医者の技術が大切だとお分かりになったと思います。しかし、それらよりも大きな差が、保険治療と自費治療にはあります。それは、「その治療にかけられる時間」です。それには治療費が関係します。

保険治療は、戦後間もないころにできた制度で、国民すべてが医療を受けられるようにできた素晴らしい制度です。

しかし、その報酬(歯医者が治療で得られるお金)については何十年もの間ほとんど変わっていません。

虫歯になる人は年々減っているのに、歯科医院の数は増え続け、コンビニよりも多くあります。物価も昔と今では全く違います。現代では、保険治療だけでは歯医者は経営を続けていくのは難しいです。

そのため、保険治療では、短い時間で多くの歯を治療しないといけません。保険制度では、１本の歯を５分で治療しても、１時間かけて治療しても、歯医者が得られるお金は同じなのです。(例：虫歯治療は時間に関係なく、１本3,500円くらいと決まっています)

時間が取れないと、技術がある歯医者でもその技術を全て発揮することは難しいです。心に余裕がなくなり、粗が出ます。それが、虫歯の取り残しや削り方の不備などにつながり、最終的に「歯が長持ちしにくい」という結果につながりやすいのです。

例えば、外科医が通常２時間かかる心臓手術を１時間ですることになれば、どうなるかは想像がつきますよね。焦って行うことになり、手術に粗い部分、不備が出るかもしれません。心臓は命に直結しますので、失敗すれば患者様は命を落としてしまうかもしれません。

歯の治療、特に保険治療はこのような状況で行われることが多いです。最悪歯がダメになり抜くことになっても、命を落とすわけではありません。だから歯科は医科に比べて軽視されているのではないかと、私は危惧しています。

保険治療であっても、技術のある歯医者が治療に必要な時間をしっかり取って、心に余裕をもって治療を行えば、材料が国に決められた物であっても精度の良い治療になります。しかし、保険治療は歯医者の報酬が少ないため、取れる治療の時間には限界があります。そこに、精度が下がる可能性があります。

歯医者の報酬が多い自費治療は、時間をしっかりと取れるため、治療が丁寧に行えます。歯医者は持てる技術を全て出すことができますし、材料も最新のものを使えます。それらが保険治療よりも精度が良い物になりやすく、歯が長持ちしやすい本当の理由なのです。

「保険治療は精度が悪く歯が長持ちしない」と言う説明は間違っているとお分かりいただけたと思います。

当院では、保険治療でも精度の良い治療を提供する為に、全国の歯科医院の平均よりも倍以上の時間を取っています。その分医院の利益は少なくなりますが、患者様の歯の長持ちを何よりも優先しています。

そもそも保険治療は、国からお金を得る行為です。１円でもいただく以上は、手を抜くことは絶対に許されません。そのような気持ちで治療を行っています。

患者様の中には、最善の治療、できるだけ歯を長持ちさせたいと思われる方がいらっしゃいます。そのような方には、自費治療を推奨いたします。歯医者の持てる「技術」と、それを１００％発揮できる「時間」、最良の「材料」を使用した治療で、最も精度の高い治療を行わせていただきます。

根管治療(根っこ、神経の治療)で言いますと、動画で詳しく説明していますが、歯の根っこ(神経)は単純な真っすぐの丸形ではなく、曲がった楕円形をしています。限られた道具と材料、短い時間では、神経を取り残し、根っこはきれいにするのは難しいです。近い将来根っこに病気ができ、治療のやり直しや、最悪の場合歯を抜く可能性があります。

根管治療を動画で詳しく説明しています。当院の動画はすべて字幕付きで、音声なしでもご覧いただけます。