抜かないで残せた、根の病気で顎の骨が溶け穴があいた神経と根の治療
2025/04/16
今回は、根の病気で顎の骨が溶けて大きな穴があいてしまい、今すぐ抜かないといけないと言われた歯を、精密な根管治療を行いなんとか抜かずに残せた症例を説明します。
目次
骨が溶けて貫通し、大きな穴が
患者様は、左下の奥歯が食事の時に痛みがあり、揺れてきたので不安になり近くの歯科医院を受診したところ、根の病気があることがわかりました。病気が大きく放置すれば危険なので今すぐに抜いた方が良いと言われたそうです。患者様はなんとか抜かずに治療できないかと、セカンドオピニオンも兼ねて当院を受診されました。
レントゲンを撮影したところ、やはり大きな根の病気がありました。
精密に検査するため、CTを撮影した所、予想以上に大きな病気で骨が溶けてしまっていることが分かりました。特に内側の骨が完全に貫通し、大きな穴があいています。これでは抜いた方が良いと言われても無理はありません。
なぜこのような状態になったのか
原因を考えることが成功の秘訣
なぜ、このような危険な状態になったのでしょうか。原因を考えることと、それに対する治療を行うことが成功につながります。
まず、レントゲンを見て予想できることは、以前の治療では顕微鏡(マイクロスコープ)や高倍率ルーペを使わずに肉眼もしくはそれに近い状態で治療したということです。
神経が上の方しか取られておらず、大半が取り残されています。この歯は奥歯の中でも一番奥の歯になります。肉眼ではほとんど見えません。手探りでなんとなくの治療になってしまいます。わからないところは触らずに治療を終わらせるしかないのです。取り残された神経は腐って死んでしまうので、そこから細菌が繁殖し、大きな根の病気を作ります。
また、下の奥歯はとてもだ液が入りやすい環境です。だ液1滴に何億もの細菌が存在します。これも予想ですが、以前の治療中にだ液が入り、治療をしてきれいにするどころか、反対に根の中に細菌を入れてしまい汚してしまったのだろうと考えました。
CTでは神経(根っこ)の形も、複数の神経が途中で合流しているように見え、とても難易度が高い治療と思われました。病気の大きさから歯が割れている可能性もあり、割れ方によっては治療できず抜かないといけないことも患者様に説明し、ご了承の上で精密な根管治療(根、神経の治療)を行うことにしました。
実際の治療
汚れた組織を徹底的に除去・消毒
かぶせ物を外して、根の中を見たところ、以前の治療でつめられてた薬が完全に汚染され、黒くドロドロになっていました。このまま放置していれば、完全に骨は溶けてしまい抜け落ちていたでしょう。
それらを徹底的に除去し、洗浄液で洗浄します。同時に、取り残された神経も見つけていき、形状記憶の特殊な器具で取り除きます。
専用の器具で超音波洗浄を行い、根の中が綺麗になったことが確認できました。また、歯は割れていませんでした。
次回の来院時、患者様は痛みもなく違和感も無くなったとのことで、歯の状態も良かったため最終的な抗菌剤(薬)をつめて完了しました。抗菌剤は現在最も長期に渡り抗菌作用が続き、骨を再生する能力が高いMTAセメントを使用しました。
その後はかぶせ物を行いました。患者様は痛みも揺れも違和感もないとのことで、食事が楽しめるようになりました。
骨が再生し、穴が完全にふさがった
原因を治療すれば、抜かずに治せる
治療後は経過観察を行いました。1年経過し、患者様は引き続き痛みもなく食事ができているとのことで、CTを撮影しました。すると、溶けていた骨はほとんど再生しており、大きな穴は完全にふさがって(とじて)いました。
患者様は歯を抜かずにすみ、また骨が再生し健康的な状態に戻ったことをとても喜ばれました。本当に良かったです。
見た目だけで判断しない、総合的な診査が大切
抜くことを急がないこと
レントゲンの見た目では、すぐに歯を抜いてインプラントなどを行うという考え方もあります。しかし、精密に検査し残せる可能性があるのであれば、抜かずに治療を行うべきです。
もし、今回のように骨が再生すれば、将来歯が割れたりして本当に抜かないといけなくなった時に、骨が再生しているので、インプラントを行いやすい(成功しやすい)のです(インプラントは骨に入れて固定します)。
このように大きな根の病気の歯は、一生長持ちするか?と言われれば難しいかもしれません。そのため、もしも将来本当に抜かないといけなくなった時のことも考えた、総合的な判断と治療が歯科医には求められます。
説明は以上になります。このような歯でお悩みの方はぜひ、みつおデンタルクリニックへご相談ください。ご拝読いただき、ありがとうございました。
みつおデンタルクリニック 院長
精密な検査と治療で歯を守る会 代表 高津光雄
健康な歯をできる限り削らない「ハーミノス虫歯治療法®【特許庁・商標登録】」を考案
【今回の治療について】
年齢:30代 女性
治療期間:1ヶ月(経過観察期間を含まない)
治療回数:2回
治療費: 精密根管治療費 100,000円(税込)
【精密根管治療のメリット】
・歯を抜かずに残せる可能性が高くなる。
・歯が長持ちしやすくなる。
【精密根管治療のリスク・デメリット】
・外科処置が必要となる場合がある。
・骨が再生するには時間がかかる。
・治療途中に歯が割れたり、保存が不可能と判断した場合は抜歯になることもある。
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みつおデンタルクリニック
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高技術な根管治療を天満で実施
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