【画像あり】神経を残す治療(VPT)を院長が詳しく説明します
2026/02/23
Q1. 神経を残す治療(VPT)とは何ですか?
VPT(Vital Pulp Therapy バイタルパルプセラピー)は、虫歯が深く神経の近くまで進行している場合や、神経が一部炎症を起こし感染している場合でも、条件が整えば神経を保存する治療です。
歯の神経(歯髄)は、歯に栄養や水分を供給し、刺激を感知する重要な組織です。神経を取ると痛みはなくなりますが、歯の内部は徐々に水分が減少し、長期的には割れやすくなる傾向があります。
そのため、神経に回復力が残っていると判断できる場合には、神経を残す選択肢を検討します。
VPTは次の4つを含みます。
① 間接覆髄(かんせつふくずい)
② 直接覆髄(ちょくせつふくずい)
③ 部分断髄(ぶぶんだんずい)
④ 全部断髄(ぜんぶだんずい)
Q2. 深い虫歯=必ず神経を取る、ではないのですか?
必ずしもそうではありません。
虫歯が神経に近いというだけで、すぐに神経を取るとは限りません。重要なのは、炎症がどこまで広がっているかです。
みつおデンタルクリニックでは、
・痛みの強さと持続時間
・冷たいものや温かいものへの反応
・レントゲンでの根の状態
・虫歯を取り除いた後の神経の反応
これらを総合して判断します。
虫歯の深さだけで決めつけることはありません。
Q3. 間接覆髄(かんせつふくずい)とはどんな治療ですか?
間接覆髄は、虫歯が神経のすぐ近くまで進んでいる場合に、神経を露出させずに保護する治療です。
深い虫歯を取り除くと、神経まであとわずかという状態になることがあります。その際、神経を傷つけないよう慎重に虫歯を取り除き、神経の近くに保護材を置いて封鎖します。
Q4. 直接覆髄(ちょくせつふくずい)とはどんな治療ですか?
直接覆髄は、虫歯を取っていて神経が小さく出てしまった(露出した)場合に、神経を保護して残すことを目指す治療です。
虫歯が非常に深いと、治療中に神経が露出することがあります。そのとき、神経の炎症や出血の状態などを診査し神経が残せると判断すれば、露出した部分をきれいに消毒し、必要な処置を行った上で、神経を守る材料を置き、細菌が入らないようにしっかり封鎖します。
Q5. レントゲンで根の先に影があるから神経が死んでいると言われました。神経を取らないといけないのでしょうか?
レントゲンで根の先に影が見えると、神経が死んでいると説明されることがあります。
しかし、神経が完全に死んでいなくても、神経の炎症にともなって根の先の組織に反応が起こり、影のように見える場合があります。
そのため、レントゲンの影だけで、必ず神経が死んでいるとは言い切れません。
実際には、神経がまだ生きていて、神経を残す治療が検討できることもあります。
みつおデンタルクリニックでは、画像だけで判断せず、症状や検査結果も合わせて確認し、神経を残せる可能性があるかどうかを見ています。
Q6. 痛みがあり神経が炎症を起こしている(不可逆性歯髄炎)と言われました。それでも神経は残せますか?
状態によっては可能な場合があります。
一般的に神経が炎症を起こしている不可逆性歯髄炎(ふかぎゃくせいしずいえん)は神経を取る必要があると説明されることが多いですが、炎症が神経全体に及んでいない場合、部分断髄や全部断髄という方法で神経の一部を残せることがあります。
重要なのは、炎症がどこまで広がっているかを術中に確認することです。
ただし、すべての不可逆性歯髄炎で保存できるわけではありません。
Q7. 「神経を取る」と言っても、全部ではなく一部を取るだけで済むことがあるのですか?
この質問はとても重要です。
患者様は「神経を全部残す」か「神経を全部取る(抜く)」かの2択だけだと思われがちですが、その間の「一部の神経を取って、それ以外の神経を残す」という治療法があります。
一部の神経を取る方法を「部分断髄(ぶぶんだんずい)」と言います。部分断髄は、炎症が起きている神経の部分だけを取り除き、健康な神経を残す方法です。
痛みなどの症状が出ている場合、神経に炎症が起きていることが多いのですが、神経全てに炎症が起きている訳ではないことがあります。下の図のように、虫歯に近い所の一部の神経が炎症を起こして、それ以外の神経はまだ健康な状態であることがあります。
このように炎症が神経の浅い部分にとどまっている場合には部分断髄が有効と考えられています。取り除く範囲は数ミリ程度です。
その後、MTAセメントなどの神経を保護する材料を置き、細菌が入らないように封鎖します。
Q8. 全部断髄(ぜんぶだんずい)とは何ですか?
全部断髄は、歯の頭の部分の神経を取り除き、根の中の神経を残す方法です。
炎症が歯冠部に広がっているが、根の神経には回復力が残っていると判断できる場合に選択します。
神経をすべて取る根管治療とは異なり、歯の内部の一部を保存します。
以下はVPT(間接覆髄、直接覆髄、部分断髄、全部断髄)のまとめになります。
Q9. 神経の状態や神経が残せるかどうかはどのように判断するのですか?
特に重要なのが「出血の状態」です。
虫歯を取り除いた後、神経から出血します。その出血が数分以内に落ち着くかどうかは、神経の炎症がどの程度かを示す重要な目安になります。
長時間止血できない場合は、炎症が広範囲に及んでいる可能性が高く、神経の保存は難しいと判断することがあります。
また、全く出血せず、腐った臭いや膿が出る場合は、神経が死んで機能していない可能性が高いです。死んだ神経かどうか見て判別できることもあります。この場合も神経を残すことは難しいと思われます。これらはレントゲンだけでわかるものではありません。
Q10. 治療の手順に止血が大きく関係するのですか?
出血が短時間でコントロール(止血)できるということは、炎症が限局している可能性を示します。
止血ができないということは、神経の深い部分まで炎症が広がっている可能性があるということです。
VPTは「神経に回復力が残っていること」が前提となる治療です。そのため、止血の評価は非常に重要です。
簡単に治療の手順を説明します。
出血が止まらない時は、神経の炎症が強いと判断し、そこの神経の一部(数ミリ)だけ除去します。そしてまた止血するかを数分見ます。
止血すれば残りの神経は健全と判断し、MTAセメントなどの神経を保護する薬を塗布します。
出血が止まらない場合は、まだ神経の炎症が強いと判断し、また追加で数ミリ神経を除去します。
それでも止まらない場合は、歯の頭の部分の神経を取り除きます(全部断髄)。
それでも止まらない場合は、根の先まで全て神経を取り除きます。これはVPTではなく根管治療(抜髄)になります。
VPTはその都度止血するかどうかを判断するため、とても時間と技術が必要な治療です。
Q11. 成功率はどのくらいですか?
条件が適切に整った症例では、70〜90%程度の良好な経過が期待できるとされています。
部分断髄や全部断髄では、それ以上の安定した経過が報告されていることもあります。
ただし、成功率は一律ではありません。
・術前の症状
・炎症の広がり
・止血の状態
・感染の除去
・最終的な封鎖
・治療後の経過観察
によって変わります。
Q12. 材料が良ければ成功しますか?
材料は重要ですが、それだけで成功が決まるわけではありません。
大切なのは、
・感染している部分をできるだけ取り除くこと
・処置中に細菌を持ち込まないこと
・治療後に再感染を防ぐ封鎖を行うこと
です。
神経に細菌が再び侵入すると、炎症が再発する可能性があります。
ちなみに当院では、封鎖性、殺菌力、生体へのなじみ等が優れたMTAセメントを使用しております。
Q13. 深い虫歯は削らず残したほうが神経に優しいのですか?
虫歯を一部残す方法もありますが、神経の状態を正確に判断するためには、感染している部分を除去することが重要です。
取り残しがあると、炎症の広がりを正確に評価できない場合があります。
みつおデンタルクリニックでは、神経の状態を直接確認したうえで保存の可否を判断します。
Q14. VPT後に痛みが出ることはありますか?
軽い違和感や痛みが出ることはありますが、多くは時間とともに落ち着きます。
しかし、
・強い持続痛
・夜間痛
・腫れ
・噛むと強い痛み
が出た場合は、神経が保存できなかった可能性があります。その場合は根管治療(神経を全部取る)へ移行します。
Q15. 神経を残すメリットは何ですか?
神経を残せた歯は、
・内部の水分が保たれやすい
・歯が割れにくい傾向がある
・噛み合わせの異常に気づきやすい
・虫歯になりにくい
・知覚が残り虫歯などの異常に気付きやすい
といったメリットがあり、歯の寿命が延びやすくなります。
ただし、歯の寿命は神経だけで決まるものではありません。残っている歯の量や噛み合わせも重要です。
Q16. 年齢が高いと神経は残せませんか?
年齢だけで判断することはありません。
若い歯は回復力が高い傾向がありますが、成人でも条件が整えば神経を残せる場合があります。
重要なのは現在の炎症の状態です。
Q17. 根管治療との違いは何ですか?
根管治療は、炎症や感染が神経全体に及んでいる場合に行います。神経を取り除き、根の内部を清掃・封鎖します。
VPTは神経の一部または全部を保存する治療です。
どちらが適しているかは神経の状態によります。
Q18. VPTを選ぶか迷っています。どう考えればよいですか?
神経を残す治療にはメリットがありますが、失敗時の一定のリスクもあります。将来的に根管治療へ移行する可能性も考えなければいけません。
現在の状態、成功の可能性、将来の見通しを理解したうえで選択することが重要です。
みつおデンタルクリニックでは、神経の状態を丁寧に評価し、患者さんと相談しながら治療方針を決定します。
Q19. みつおデンタルクリニックのVPTの基本姿勢は何ですか?
みつおデンタルクリニックでは、
・症状だけで判断しない
・止血の状態を重視する
・感染の除去を徹底する
・確実な封鎖を行う
・術後の経過を丁寧に追う
という方針でVPTに取り組んでいます。
「残せる可能性がある神経を安易に取らない」
これが私たちの基本姿勢です。
まとめ
神経を残す治療(VPT)は、
・正確な診断
・止血の評価
・感染の除去
・確実な封鎖
・経過観察
がそろって初めて成立します。
痛みがあり神経に炎症がある不可逆性歯髄炎と診断されても、状態によっては部分断髄や全部断髄で神経を残せる可能性があります。
みつおデンタルクリニックでは、神経に回復力が残っているかどうかを慎重に評価し、治療方針を提案しています。
みつおデンタルクリニック 院長
精密な検査と治療で歯を守る会 代表 高津光雄
健康な歯をできる限り削らない「ハーミノス虫歯治療法®【特許庁・商標登録】」を考案
トロント大学 根管治療プログラム 卒業
世界基準の精密根管治療を行い、根管治療の名医として「名医のチョイス」に掲載
大阪・梅田・天満の患者様に選ばれる精密な根管治療と虫歯治療を提供できるよう日々研鑽
│⇩神経を残した症例はこちらから⇩│
│トロント大学 根管治療プログラム 卒業│
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みつおデンタルクリニック
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住所:大阪府大阪市北区与力町4-15 ダイナスティ与力101
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拠点の天満で虫歯から守る治療を
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