みつおデンタルクリニック

歯に黒い線。大きな虫歯でも神経を残せた症例|生活歯髄保存療法

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歯に黒い線。大きな虫歯でも神経を残せた症例|生活歯髄保存療法

歯に黒い線。大きな虫歯でも神経を残せた症例|生活歯髄保存療法

2025/08/15

こんにちは!みつおデンタルクリニック院長の高津です。
最近、「虫歯が大きくても神経を残せますか?」というお問い合わせをいただくことが増えています。神経を守ることは歯の寿命を延ばすうえでとても大切ですが、実際には虫歯の進行具合や神経の状態によって判断が異なります。

今日は、右下の奥歯に深い虫歯があったにもかかわらず、神経を取らずに保存できた症例をご紹介します。「神経を抜くしかない」と言われた経験のある方にも、参考になる内容です。

目次

    受診のきっかけ

    20代女性。右下の奥歯に黒い線が見え穴が開いており、「冷たい飲み物でしみる」「硬い物で違和感が出る」とのことで来院されました。歯には主訴の通り黒い線と大きな穴があり、虫歯がかなり大きいことが予想されました。自宅近くの歯科医院では早めに神経を抜いてかぶせ物をすることをすすめられたそうです。

    CTのレントゲンでは広く深い大きな虫歯が歯の中心の神経(歯髄)近くまで達している様に見えました。

    冷たい風の刺激には数秒のしみる感覚がありました。これだけ大きな虫歯でしたが、何もしない時の痛みはありませんでした。

    診断と治療方針

    所見から「深在性う蝕(=深い虫歯)、歯髄は生活反応あり(=神経はまだ生きている)」と判断。強く長続きする痛みが出ていないこと、レントゲン上で根の先に異常像がないことから、今回は神経を抜かずに残す治療を検討しました。

     

    患者さんの「できるだけ自分の歯の神経を残したい」という希望も確認し、処置のメリット・限界・起こりうるリスク(後から痛みが強くなる場合は神経を抜く(根管治療)へ移行する可能性など)を説明しました。ご了承のうえで治療を開始しました。

    実際の治療

    ・拡大視野でのう蝕除去
    高倍率ルーペと歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用し、う蝕検知液や触診を頼りに虫歯を慎重に除去。健康な歯質を不必要に削らないよう、境界を一つずつ確認しながら進めました。予想通りではありましたが、神経の先端部分が露出しました。

    ・神経が露出した所のコントロール
    神経が露出した大きさと範囲を正確に確認しました。

    神経からの出血が長く続き止まらないなら神経を残すことは難しくなります。今回の出血は少量で速やかに止血できたため、神経を残すことができると判断しました。


    唾液汚染を避けるため、ゴムのシート(ラバーダム)で歯を隔離します。視野も安定し、感染のリスクを下げられます。

    そして、露出した神経を保護する薬(MTAセメント)をつめました。

    神経のだ液汚染や感染のリスクをできる限り小さくするために、そのまま続けて白いプラスチック樹脂であるコンポジットレジンをつめて歯の形に仕上げ、咬み合わせの調整を行い終了しました。

    歯とレジンの“接着”を活かすことで、削る量を抑えつつ強度を確保しています。

    治療後CTで確認すると、虫歯の範囲をできるだけ超えないように削り、予定通り神経をMTAセメントで保護できていることが確認できました。コンポジットレジンが密にしっかりと詰めていることもわかります。

    その後の経過

    治療が上手くいったとしても、その後の経過が最も大切です。経過観察をしていきます。

    1か月後:軽い違和感は解消。冷たい風は短時間で反応し、持続する痛みはなし。
    3か月後:しみる症状は消失。食事時の不快感なし。
    6か月後:レントゲン上で根の異常所見はなく、神経(歯髄)は生きている反応を維持。食事時の安定感も得られています。

    1年後も同じ状況で安定しております。患者様は非常に喜ばれました。本当に良かったです。
    ※結果には個人差があり、すべてのケースで同様の経過になるとは限りません。

    なぜ大きな虫歯でも神経を残せたのか

    ・症状の段階:自発痛がない、温度刺激に短時間反応という所見は、歯髄の回復力が残っているサインの一つです。

    ・清潔な術野の確保:ラバーダムと拡大視野で、細菌の侵入を抑えつつMTAセメントとレジンをつめられました。

    ・露髄の大きさと止血:神経の露出した(露髄した)所が、早期に止血できたことが保護処置に好条件でした。

    ・アプローチ回数:できる限りだ液感染などを防ぐために、1回で最終修復(完了)へ進んだ点も重要です。

    神経を抜くことをできるだけ避けたい理由

    「神経を抜きましょう」「神経を抜きました」と歯医者は簡単そうに言うのですが、実際は全く簡単ではありません。

     

    神経を抜く処置は非常に繊細で難しく、神経は細く複雑に入り組んでいるため、きれいにするには高い精度が求められます。

    精度が低く神経の取り残しなどが起きれば、処置後に再感染や根の先の病気など、将来的なトラブルが起こる可能性があります。最悪歯を抜くこともあります。できることなら神経は抜かない方が絶対に良いのです。

     

    つまり、神経を取るのは最後の手段と考え、早期発見・早期治療によって神経を守ることが大切です。「少ししみる」「噛むと違和感がある」といった初期のサインがあれば、すぐに歯科を受診しましょう。

    まとめ

    奥歯はかむ力を支える大切な歯です。今回のように条件が揃えば神経を残せる可能性がありますが、それは早期発見・早期治療があってこそです。

    違和感や少ししみる感じがすることもあれば、虫歯がとても大きくても全く無症状の時もあります。早期の受診が、歯と神経を守る最大のポイントです。

    以上になります。ご拝読いただきありがとうございました。

    みつおデンタルクリニック 院長

    精密な検査と治療で歯を守る会 代表 高津光雄

    健康な歯をできる限り削らない「ハーミノス虫歯治療法®【特許庁・商標登録】」を考案

    オンライン相談等、SNSで医院の情報を配信中

    【今回の治療について】

    年齢:20代 女性

    治療期間:1日(経過観察期間を含まない)

    治療回数:1回

    治療費: 神経を保護する治療(つめもの代も含む) 50,000円(税込)

    【虫歯治療(白いプラスチック樹脂(レジン))のメリット】

    ・歯を削る量が歯型を取るつめ物よりも少ない

    ・白く治すことができる

    ・最短で一回で治せる

    ・保険がきく

    【神経を残す治療のメリット】

    ・歯が長持ちしやすい

    ・神経を取る場合よりも歯がもろくなりにくい

    【虫歯治療(白いプラスチック樹脂(レジン))のデメリット】

    ・一般的に経年的に変色してしまう
    ・欠けたり、割れたりする事がある
    ・レジンアレルギーの心配がある
    ・術者の技術によって治療後の予後に差が生じる

    【神経を残す治療のデメリット】

    ・術者の技術によって治療後の予後に差が生じる

    ・うまく保護できなかった場合は、痛みが出て神経を取る必要がある

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    みつおデンタルクリニック
    〒530-0036
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    電話番号 :06-6948-6232


    拠点の天満で虫歯から守る治療を

    高技術な根管治療を天満で実施

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