【歯の長持ちに差】患者さんには見えない、虫歯治療でレジンの「つめ方」の話
2025/12/31
目次
「過去に虫歯治療しているから、この歯はもう問題ない」
そう思われている方は少なくありません。しかし実際の診療では、虫歯が再発していたり、歯にヒビが入っているケースを見かけることがあります。
今回の症例では、銀歯の歯が噛んだ時や冷たい物を飲んだ時に痛いとのことでした。
歯を診査すると、銀歯と歯の間にすき間があり、虫歯の穴が開いています。硬い銀歯で歯がかけて、そこに虫歯菌が入って虫歯ができたものと考えられます。
銀歯を外してみたところ、二次う蝕(詰め物の下で再発した虫歯)が確認できました。外からは分かりにくく、つめ物を外して初めて歯の状態がはっきりすることもあります。
虫歯を取り切って確認すると、歯に多くのヒビ割れが起きていました。銀歯が硬く歯を割りやすいために起きたものと考えられます。
銀歯はやめて、レジンで修復するという選択
今回のケースでは、再発した虫歯を丁寧に取り除いたあと、レジン(プラスチック樹脂)による修復を行いました。
レジンは白く歯の色に近く、修復後に自然になじみやすい材料です。
ただし、レジン治療は「白い材料を詰めれば終わり」という単純な治療ではありません。治療の結果に影響するのは、材料そのものよりも接着の工程、すなわち“つめ方”です。
まずレジンとはどのようなものか?
レジンとはプラスチック樹脂のことです。虫歯を削ってできた穴に直接つめます。レジンは最初トロトロで柔らかく、細かい所までつめることができます。そして、青い光を当てると硬く固まります。
接着を安定させるためのラバーダム防湿
レジンはお口の中で直接歯につめものを接着させます。お口の中に水分(だ液)がある環境では十分な接着力を発揮しにくい性質があります(=くっつきにくい)。
接着が十分でなければ、そこに目には見えないすき間ができます。そこに虫歯菌が入り込んで虫歯が再発してしまいます。
そのため当院では、接着を良くするためにラバーダム防湿を原則行います。
ラバーダムとは、治療する歯だけをゴムのシートで隔離し、唾液や湿気が治療部位に入りにくい状態を作る方法です。
これにより、歯の表面を乾いた状態に保ちやすくなり、接着操作を落ち着いて行うことができます。
レジンは一度につめない「積層充填(せきそうじゅうてん)」
レジンは光を当てて固める際に、わずかに縮む性質があります(重合収縮といいます)。
もし一度に大量に詰めてしまうと、その収縮の影響で
・接着面に力がかかりすき間ができる
・目に見えないクラック(ヒビ割れ)が生じる
といったことが起こります。
それが将来虫歯の再発や、歯が割れて神経と歯を抜くことにつながる可能性があります。
そこで当院では、少量ずつレジンをつめては固める「積層充填(せきそうじゅうてん)」を行っています。回数は増え時間がとてもかかりますが、レジンの縮まる量を抑えて歯への負担を最小限にでき、歯が割れにくく長持ちしやすくなります。
患者様はレジンをつめた後の状態しか見えないので、どのようにつめたのかはわかりません。その過程が大事なのです。数回で大きくつめたものなのか、十回以上で細かくつめたものなのかで歯の寿命・長持ちは大きく変わります。
どのようにつめるかは、その治療する歯科医師によって違います。その歯科医師の歯に対する考え方やその時の状況によって、見た目は同じでも歯の長持ちは大きく変わってしまうことがあるのです。
接着する面を意識したつめ方も大切です
もうひとつ重要なのが、レジンをどの面に、どのくらい接触させるかを考えながらつめることです。
少し専門的な話になりますが、歯とレジンが触れる面が多いほど、材料が固まるときに生じる縮む力が大きくなります。これは専門的にはCファクターと呼ばれます。
歯の内部は、周囲を壁に囲まれた狭い形をしています。
そのため、レジンを何も考えずに詰めてしまうと、歯と接する部分が増え、硬化時の収縮する力が一か所にかかりやすくなります。結果として、接着が不安定になったり、わずかなすき間やヒビの原因になったりすることがあります。
だからこそ、少しずつ材料を入れるだけではなく、できるだけ接着する面をコントロールしながら処置を進めることが大切です。
このような細かな工夫が、見えない部分での接着の安定や、歯を長く保つことにつながります。
レジンには種類がある─当院がフロータイプを使う理由
レジンには、実は大きく分けて2種類あります。ペーストタイプとフロータイプです。
ペーストタイプのレジンは、塊でつめて形を作りやすく、見た目を綺麗に整えやすいという特徴があります。現在は非常に硬く丈夫ではありますが、条件によっては噛む力が集中した際に、欠けたり割れたりすることがあります。
フロータイプのレジンは、流れやすく、歯の細かな凹凸や境目にもなじみやすい性質があります。また、材料の特性として粘り強さがあり、ペーストタイプよりも力が加わった際に割れにくい傾向があると言われています。
当院では、見た目の美しさだけでなく、日常の噛む力が繰り返しかかる環境を考え、フロータイプのレジンを選択しています。先ほど説明した積層充填を行いながら少しずつ仕上げていきます。
歯の寿命(長持ち)を考えたつめ方
実際の治療に戻ります。ラバーダムを行い、歯をしっかりと乾燥させ、レジンの接着を良くして、すき間やヒビ割れを起こりにくくします。
先ほど説明した積層充填を行います。一度にたくさんつめるのではなく、少しずつ(0.5mm~1.0mmずつ)レジンをつめて、歯への負担をできるだけ最小限になるようにします。
十回以上少しずつつめていき、きれいにつめ終わりました。
治療後は噛んだ時の痛みやしみる感じは無くなったそうで、患者様は喜ばれました。本当に良かったです。
同じ「レジン治療」でも内容は同じではない
一言でレジン治療といっても、
・乾燥をどこまで行うか(ラバーダムの有無)
・接着操作をどれだけ丁寧に行うか(積層充填の有無)
・どのレジンを選ぶか
・どれだけ時間と手間をかけるか
によって、治療内容は大きく変わります。
当院では、見た目だけでなく、むし歯が再発しにくい環境を作ること、そしてできるだけ割れにくく神経と歯を守ることを重視して治療工程を組み立てています。
当院が虫歯治療を自費で行う理由
当院は虫歯治療は原則自費で行います。
保険治療では虫歯治療が最も安いため、時間や手間をかけることができません。そのため、十分な乾燥や積層充填ができません。虫歯の取り残しも起きやすいです。それが将来の虫歯の再発や歯が割れたりすることになり、高額で何十万円もするセラミックやインプラントの治療につながっていくのです。
歯を長持ちさせるためには、細かな工程が必要になります。
ラバーダム防湿、積層充填、材料の選択、細かな調整と確認。
これらを省かずに行うためには、十分な治療時間が必要になります。工程を簡略化せず、一つひとつ確認しながら進めないといけないのです。
自費治療を行う理由、それは「歯を長持ちさせたいから」というシンプルな理由です。
当院の理念をご理解いただける方や、虫歯でお悩みの方はぜひ、みつおデンタルクリニックへお越しください。
みつおデンタルクリニック 院長
精密な検査と治療で歯を守る会 代表 高津光雄
健康な歯をできる限り削らない「ハーミノス虫歯治療法®【特許庁・商標登録】」を考案
世界基準の精密根管治療を行い、根管治療の名医として「名医のチョイス」に掲載
大阪・梅田・天満の患者様に選ばれる精密な根管治療と虫歯治療を提供できるよう日々研鑽
【今回の治療について】
年齢:40代 男性
治療回数:1回
治療費: 精密虫歯治療費 25,000円(税込)
【虫歯治療(白いプラスチック樹脂(レジン))のメリット】
・歯を削る量が歯型を取るつめ物よりも少ない
・白く治すことができる
・最短で一回で治せる
【虫歯治療(白いプラスチック樹脂(レジン))のデメリット】
・一般的に経年的に変色してしまう
・欠けたり、割れたりする事がある
・虫歯の状態によっては、レジン治療ができず別のセラミックなどの治療になる
・レジンアレルギーの心配がある
・術者の技術によって治療後の予後に差が生じる
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みつおデンタルクリニック
〒530-0036
住所:大阪府大阪市北区与力町4-15 ダイナスティ与力101
電話番号 :06-6948-6232
拠点の天満で虫歯から守る治療を
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