みつおデンタルクリニック

前歯の神経が死んでいる|骨の穴が塞がった感染根管治療の症例

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前歯の神経が死んでいる|骨の穴が塞がった感染根管治療の症例

前歯の神経が死んでいる|骨の穴が塞がった感染根管治療の症例

2026/11/04

治療前後の比較

初診時の状態

今回ご紹介するのは、右上の前歯(右上1番)の根元に違和感とにぶい痛みがあり、来院された30代男性の患者様の症例です。患者様はまず近くの歯科医院を受診され、「神経が死んでいる」と診断を受けました。本当にそうなのか、もしそうであれば精密に根の治療をしてもらいたいとのことで、当院を受診されました。

精密検査(電気歯髄診・CT)

はじめに、神経が本当に死んでいるのかを調べました。行ったのは、電気歯髄診とCT撮影です。電気歯髄診は、歯に弱い電気を流し、その反応から神経が生きているかどうかを調べる検査です。CTは、歯やまわりの骨を立体的に撮影できる装置で、ふつうのレントゲンでは分かりにくい骨の中の様子まで確認できます。検査の結果、神経が死んでいることが分かりました。

CT画像を見ると、歯の根の先に病気ができていて、骨が溶けていました(黄色点線部)。

CT画像。歯の根の先に病気ができていて骨が溶けている(黄色点線部)

さらに3D画像で確認すると、骨が貫通し、穴が開いていることが分かりました(黄色〇部)。

3D画像では、骨が貫通し穴が開いていることがわかった(黄色〇部)

なぜ神経が死んでしまったのか(原因の説明)

では、なぜ神経が死んでしまったのでしょうか。この歯には中くらいの大きさの虫歯治療の跡がありましたが、それが原因で神経が死んでしまった可能性は低いと見られました。

お話を伺うと、患者様は10年くらい前に前歯をぶつけたことがあったそうです。そのときは前歯が少し揺れる程度で、1か月程度でおさまり、痛みも無かったとのことでした。もしかしたら、このときの外傷(ぶつけたことによるケガ)によって、神経が徐々に死んでいったのかもしれません。

歯を強くぶつけると、根の先にある神経の通り道が傷つくことがあります。その場では症状が落ち着いても、年月をかけて神経が弱っていき、後になって問題が見つかることがあるのです。今回は10年も前の出来事なので断定はできませんが、大きな虫歯がなくても神経が死んでしまうことがある一例といえます。

治療方法の選択

診断は「壊死性歯髄炎(えしせいしずいえん)」でした。歯の中にある神経が死んでしまった状態のことです。死んだ神経には細菌が繁殖します。その細菌の影響が根の先まで及ぶと、根の先に病気ができ、まわりの骨が溶けていきます。今回、骨が溶けて一部が貫通していたのは、このためです。

壊死した神経に細菌が繁殖しているため、神経を取り除く「感染根管治療」が必要と判断し、行いました。感染根管治療とは、細菌に感染した根の中をきれいにして、薬でふさぐ治療です。

治療の流れ(使用した器具・方法)

治療の際は、ラバーダムをつけました。ラバーダムとは、治療する歯だけを出して周りをおおう薄いゴムのシートです。治療中に唾液や細菌が根の中へ入るのを防ぎます。そのうえで、マイクロスコープ(歯科用の顕微鏡)で大きく拡大しながら治療を進めました。

治療を始めると、根にたまっていた膿(うみ)が大量に出てきました(青矢印部)。

治療時。根にたまっていた膿(うみ)が大量に出てきた(青矢印部)

根の中の掃除には、しなやかによく曲がる金属製のやすり「ニッケルチタンファイル」を使いました。細かい汚れは超音波機器(細かな振動で汚れを落とす器械)で落とし、ピエゾフロー(超音波の振動で根の中を洗い流す器具)で洗浄をくり返すと、根の中が綺麗になりました。

根の中を洗浄し綺麗になった

根の中が綺麗になったことを確認してから、MTAセメント(根の中をすき間なくふさぐ、体になじみやすい材料)を根の先までつめました。

MTAセメントを根の先までつめた

治療の回数は2回、期間は2週間でした。

治療後の経過

治療後2年が経過しました。完全な治癒ではありませんが、骨が明らかに再生してきています。

治療後2年経過。完全ではないが骨が再生してきている

3D画像を見ると、貫通した骨の穴が塞がり、治っていることが分かります。

3D画像では、貫通した骨の穴が治っていることがわかる

痛みも違和感もなく良好なので、このまま経過観察していくことになりました。経過観察とは、すぐに追加の治療はせず、定期的に状態を確認していくことです。患者様は大変喜ばれました。本当に良かったです。

ご自宅での注意点

根管治療を行った歯は、土台やかぶせ物が入るまでの間、もろくなっていることがあります。前歯は食べ物をかみ切るときに力がかかる歯です。治療後しばらくは、硬いものを前歯で強くかみ切るのは控えていただくようお願いしています。また、痛みや腫れ、違和感が続く場合には、我慢せず早めにご連絡いただくようご案内しています。

よくあるご質問

Q. 前歯をぶつけても、痛みがおさまれば心配ないのでしょうか。 A. すぐに症状がおさまっても、年月がたってから神経が死んでしまうことがあります。ぶつけたことのある歯に違和感や痛みが出てきたときは、歯科医院で検査を受けることをおすすめします。

Q. 神経が死んでいるかどうかは、どうやって調べるのですか。 A. 今回の症例では、歯に弱い電気を流して反応をみる電気歯髄診と、骨の中まで立体的に確認できるCTで調べました。

Q. 骨に穴が開いていても、歯を残すことはできますか。 A. 歯や骨の状態によって異なるため、すべての場合に残せるわけではありません。今回の症例では、感染根管治療から2年後に骨の再生と穴の塞がりを確認できました。

まとめ

今回は、前歯の根元の違和感とにぶい痛みをきっかけに、神経が死んでいることが分かった症例をご紹介しました。10年くらい前に前歯をぶつけたことが関係しているのかもしれません。根の先の骨は溶け、一部は貫通していましたが、感染根管治療から2年後には骨が再生してきており、貫通した穴も塞がっています。ぶつけたことのある前歯に違和感や痛みがある方は、一度詳しい検査を受けてみることをおすすめします。

院長紹介

院長 高津光雄

みつおデンタルクリニック 院長
精密な検査と治療で歯を守る会 代表 高津光雄

トロント大学 根管治療 スタディプログラム 卒業
寺内吉継先生、フリードマン先生(Prof. Emeritus Shimon Friedman・トロント大学名誉教授)に師事し、
世界基準の根管治療を習得。根管治療の名医として「名医のチョイス」に掲載

難治性の根の病気に対する根管治療法を考案

健康な歯をできる限り削らない「ハーミノス虫歯治療法®」(特許庁・商標登録)を考案

大阪梅田・天満で、精密な根管治療と虫歯治療を提供できるよう日々研鑽

今回の治療について

年齢・性別30代男性
治療部位右上中切歯(右上1番)
治療期間2週間
治療回数2回
治療費120,000円(税込)。かぶせ物の費用は別途。
注記自由診療です。

メリット

  • 抜歯をせずに歯を残せる可能性がある
  • 炎症の原因となっている感染部分を取り除くことができる
  • マイクロスコープを使用した精密な処置が可能である

デメリット・リスク

  • 治療後も一時的に痛みや腫れが出ることがある
  • 根の状態によっては治療後に抜歯が必要になる場合がある
  • 骨の回復には個人差があり、完全には治りきらない場合がある
  • 神経を取った歯は、時間がたつと色が変わることがある
  • 治療には複数回の通院が必要になる場合がある

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みつおデンタルクリニック
〒530-0036
住所:大阪府大阪市北区与力町4-15 ダイナスティ与力101
電話番号 :06-6948-6232


高技術な根管治療を天満で実施

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