みつおデンタルクリニック

肉眼ではほとんど見えない一番奥の歯。ほぼ残っていた神経をマイクロスコープで治療した症例

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肉眼ではほとんど見えない一番奥の歯。ほぼ残っていた神経をマイクロスコープで治療した症例

肉眼ではほとんど見えない一番奥の歯。ほぼ残っていた神経をマイクロスコープで治療した症例

2026/10/25

治療前後の比較

初診時の状態

今回ご紹介する患者様は30代の女性です。主訴は「左下奥の歯が欠けて、じんじんとした痛みがある」というものでした。来院の1週間ほど前、食事中に左下の奥歯が欠けてしまい、その直後から何もしていなくても痛みが続くようになったとのことです。実はこの歯は、去年神経を取る治療(根管治療)を受けたばかりの歯でした。その際に担当した歯科医師からは、「一番奥の歯で神経が見えにくい部分だった。できる範囲で処置はしたが、将来痛みが出たら歯を抜かなければならないかもしれない」と説明を受けていたそうです。しかし、具体的にどのような状態になっているのかは詳しい説明がなく、ご本人もよく理解できないままだったといいます。それでも「できる限り歯を抜かずに治療したい」という思いから、ご自身でインターネットを使って当院を探し、来院されました。

診断は「急性根尖性歯周炎」です。これは歯の根の先端に細菌感染が起こり、炎症を起こしている状態を指します。神経を取ったはずの歯であっても、内部に細菌や汚れが残っていると、このように後から痛みや腫れが出てくることがあります。

来院時のレントゲン。詳しくはわからないが、根管治療の精度が低いことが予想される。

精密検査(CT)

より詳しく状態を把握するため、CTによる精密検査を行いました。CTは歯や骨の状態を立体的に確認できる検査で、通常のレントゲンでは分かりにくい部分まで確認することができます。検査の結果、根の先に大きな病気があることが判明しました。顎の骨が溶けてしまい、そこに膿がたまっている状態でした。

CTで精密検査すると、根の先に大きな病気ができていることがわかった(黄色点線部)。顎の骨が溶けて膿がたまっている。

さらにCT画像を詳しく確認すると、神経のほとんどが取り残されていることが分かりました。残った神経が時間とともに腐ってしまい、根の先の病気を引き起こしていたのです。

ほとんどの神経が取り残されていることが判明した(黄色部)。神経が腐敗し根の病気ができてしまった。

なぜ、これほど多くの神経が残ってしまったのでしょうか。前回の治療は、おそらく肉眼か、倍率の低いルーペ程度で行われたのだと思われます。第二大臼歯のように一番奥にある歯は、肉眼で治療するとほとんど中が見えません。そのため、今回のような神経の取り残しなどが起きてしまうのです。

また、虫歯も再発していることが分かりました。

虫歯も再発している(黄色矢印部)

治療方法の選択と治療の流れ

今回は患者様のご希望も踏まえ、歯を抜かずに治療を行う「感染根管治療」を選択しました。感染根管治療とは、一度神経を取った歯の内部に再び細菌感染が起きてしまった場合に、歯の内部を再度清掃・消毒し直す治療法です。治療にあたっては、マイクロスコープ(歯科用の顕微鏡)、ニッケルチタン製のファイル(根の中を清掃するしなやかな器具)、ラバーダム(治療中に唾液や細菌の侵入を防ぐゴム製のシート)、CT、ピエゾフローや超音波機器(洗浄・清掃を行う器械)、MTAセメント(根の中をすき間なくふさぐ、体になじみやすい材料)を使用しました。

まず、原因となっている虫歯を取り除く処置から始めました。虫歯には何十億もの細菌が存在するため、根管治療を始める前にしっかりと取り除いておく必要があります。

虫歯には何十億もの細菌が存在するため、根管治療を始める前に取り除く必要がある。

虫歯を取り除いたあとは、土台を立てる処置を行いました。この後に装着するラバーダムをきちんと歯に密着させるためにも、この工程は欠かせません。

虫歯を取り除き、土台を立てた。ラバーダム(ゴムのシート)を行うに先立って、この処置は必須となる。

ラバーダムを装着したうえで、マイクロスコープを用いて根の中を確認したところ、取り残されていた神経を見つけることができました。肉眼では発見が難しいような取り残しであっても、顕微鏡(マイクロスコープ)があれば発見は困難ではありません。

取り残しの神経を発見(黄色〇部)。顕微鏡(マイクロスコープ)があれば困難ではない。

その後、ニッケルチタンファイルや超音波機器を使って根の中を丁寧に清掃していきました。根の中を綺麗にしていく中で、たまっていた膿が大量に出てきました。

根の中を綺麗にしていくと、たまっていた膿が大量に出てきた(黄色矢印部)

根の中が綺麗になったことを確認したのち、MTAセメントを充填しました。MTAセメントは体になじみやすく、根の中をすき間なくふさいで細菌が再び入り込むのを防ぐための材料です。

根の中が綺麗になったことを確認し、MTAセメントを充填した。

治療後の経過

治療から3年が経過した時点で経過を確認したところ、根の先にあった病気は消え、一度溶けてしまった顎の骨も再生していることが確認できました。良好な状態が安定して保たれています。患者様は大変喜ばれました。本当に良かったです。

治療後3年経過。根の病気は消失し、失った骨が再生し安定した状態を保っている。

ご自宅での注意点

根管治療後は、歯の内部の神経が無くなっている、もしくは弱っている状態のため、しばらくは硬い食べ物を避け、違和感がないかご自身でも注意して様子を見ていただくことが大切です。痛みや腫れなどの症状が続く場合は、我慢せず早めにご連絡ください。また、根管治療を行った歯は神経がないぶん虫歯の進行に気づきにくくなるため、定期的な検診でお口の中をチェックすることをおすすめします。

よくあるご質問

「前の歯科医院で、将来抜歯になるかもしれないと言われましたが、本当に抜かずに治療できますか」というご質問をよくいただきます。歯の状態によって対応は異なりますが、今回のケースのようにマイクロスコープなどを用いた精密な治療によって、抜歯を回避できる可能性があります。ただし、感染の程度や歯の状態によっては、治療を行っても改善が難しい場合もありますので、まずは精密検査を受けていただくことをおすすめします。

まとめ

一度根管治療を行った歯であっても、今回のように神経の取り残しや虫歯の再発によって、後から痛みや根の病気が生じることがあります。奥歯は特に肉眼での処置が難しい部位であるため、マイクロスコープなどの精密機器を用いた治療が有効な選択肢となる場合があります。歯を抜かずに済ませたいとお考えの方は、一度ご相談いただければと思います。

院長紹介

院長 高津光雄

みつおデンタルクリニック 院長
精密な検査と治療で歯を守る会 代表 高津光雄

トロント大学 根管治療 スタディプログラム 卒業
寺内吉継先生、フリードマン先生(Prof. Emeritus Shimon Friedman・トロント大学名誉教授)に師事し、
世界基準の根管治療を習得。根管治療の名医として「名医のチョイス」に掲載

難治性の根の病気に対する根管治療法を考案

健康な歯をできる限り削らない「ハーミノス虫歯治療法®」(特許庁・商標登録)を考案

大阪梅田・天満で、精密な根管治療と虫歯治療を提供できるよう日々研鑽

今回の治療について

年齢・性別30代女性
治療部位左下第二大臼歯
治療期間2週間(経過観察を含まない)
治療回数2回
治療費120,000円(税込)。かぶせ物の費用は別途。
注記自由診療です。

メリット

  • 歯を抜かずに残せる可能性がある
  • マイクロスコープを使用した精密な治療により、肉眼では発見しにくい感染源を確認・除去できる
  • 再感染のリスクを抑え、歯を長く使い続けられることが期待できる

デメリット・リスク

  • 感染の状態によっては治療を行っても改善せず、抜歯が必要になる場合がある
  • 治療期間中や治療後に一時的な痛みや腫れが生じることがある
  • 歯の状態によって治療回数・期間が変動する場合がある

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みつおデンタルクリニック
〒530-0036
住所:大阪府大阪市北区与力町4-15 ダイナスティ与力101
電話番号 :06-6948-6232


高技術な根管治療を天満で実施

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