簡潔で詳しくわかる、根管治療について
2024/08/25
以前治療した歯が悪くなりやり直しで来院する方は、80%と言われています。つまり、歯医者の仕事のほとんどは、以前の歯医者さんの治療のやり直しということです。何度もやり直していると、どんどん歯は弱るので、歯を抜くことになります。平均5年が寿命とのデータもあります。
国民健康保険は治療費が安く受けられる非常に良い制度ですが、歯医者からすれば海外と比べるととても安い報酬で治療しなくてはいけないため、時間をかけて丁寧にすることが困難です。だから、日本の歯科は治療のやり直しが多いと考えております。
よって当院は、可能な限りやり直しのない精度の高い治療のご提案をしております。
それでは、根管治療の説明を行います。(上の図の上のイラスト)これは歯の断面図のイラストです。根管治療は、歯に上から穴をあけて、専用の器具で根の中の神経や汚れを取って、薬をつめる治療です。
(上の図の左下)こちらは実際の歯の断面図です。上のイラストと違い、根の中の神経は曲がっていたり、枝分かれしていたり、とても複雑な形をしています。昔から使われている針金では神経を取り残します。取り残した神経が死んでしまい、細菌が繁殖し根の外に病気を作ります。
根の病気ができている歯は中でどうなっているのかというと、まず(上の図の右上)歯の頭のところ、かぶせ物の中には虫歯が再発していることがあります。虫歯の取り残しもよくみられます。虫歯の細菌が根の中に入っていき、根の病気を増殖させます。
(上の図の左上)根の中はどうなっているのかというと、昔つめた薬は効果が全くなくなっており、真っ黒く汚れています。また、取り残された神経が腐っているので、ドロドロの汚れが根の中についています。
(上の図の下)根の外はどうなっているのかというと、レントゲンの黒い部分は骨が溶けて、膿などのばい菌の塊がつまっています。病気が大きくなると、骨が完全に溶けて穴が開いたり、歯が抜けてしまいます。顕微鏡でみると細菌が増殖しています。
先ほどの歯のように、神経を取った歯は一生持つわけではありません。歯の長持ちには根管治療とかぶせ物の治療の精度が関係します。(上の図の左上)こちらの研究結果では、根管治療とかぶせ物の治療、そのどちらの精度も良いものであれば、その歯が10年持つ可能性は90%以上といわれています。反対に、どちらの精度も悪いものであれば、その歯が10年持つ可能性は20%もありません。先ほどの歯はここに当てはまります。(上の図の右上)もたない歯は、これよりも成功率は低くなりますが、①もう一度根管治療を行う、②外科手術で根っこを切り取る、③①②をやっても治らない、もしくは外科手術ができない場合は歯を抜くことになります。
歯を抜いてしまった場合は、入れ歯やブリッジ、インプラントなどで歯をおぎなうしかありません。できれば歯を抜くことは避けたいところです。
根の病気を治すためには、精密な根管治療が必要です。
昔から使われている針金だけでは治せません。顕微鏡(マイクロスコープ)やCT、神経や根の汚れを取る特殊な器具が必要です。また、唾液には何十億もの細菌が存在するので、唾液が入らないようにゴムのシート(ラバーダム)で囲んであげることが大切です。根の中を超音波洗浄し、最後に病気ができにくく、骨が再生しやすい薬(MTAセメント等)をつめることも大切です。
治療の例です。(上の図)このように汚れていた根っこも綺麗になりました。治療が上手くいけば、経過観察していくと溶けていた骨も再生してきます。大きく穴が開いていた骨も再生して小さくなっていきます。
最後に、金額など内容の比較のまとめになります。自費治療は金額が難易度により10~15万円ですが、基本10万円になります。これは税込の合計金額で、これ以上頂くことはありません。例えば2回で治療が終われば、1回目は1万円、2回目は残りの9万円頂きます。
当院では、保険治療でも一切手を抜くことはありませんが、どうしても制限があります。当院では顕微鏡とCTは保険治療でも使用しますが、器具や洗浄、薬には制限があり使用できないものがあります。また、ゴムのシートも保険では使用する決まりがないため、当院では行えません。綿などでの乾燥になります。
自費治療は制限が無いため、最良の機材・薬剤を使用します。また、1回の時間を長くとり、複数回予約を取らせていただきます。メリットとしてはやはり、根の汚れを可能な限り取るために病気が治りやすいということです。将来の根の手術や歯を抜くことを避ける可能性が高まります。デメリットとしては、費用がかかるので、複数本根管治療が必要であれば、この歯は自費、この歯は保険、のように優先順位をつけてもいいかもしれません。また、医療なので、100%治るという保証はできませんので、その点はご了承ください。割れている歯は治らないので、根管治療はできずに、抜歯になります。その場合は費用はいただきませんので、ご安心ください。説明は以上になります。歯の長持ちに対するご希望や、費用をお考えになって、どちらの治療にされるかご選択ください。
説明は以上になります。ご拝読ありがとうございました。
みつおデンタルクリニック 院長 高津光雄
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みつおデンタルクリニック
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高技術な根管治療を天満で実施
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