「根の薬は入っている」と言われたのに痛い|再根管治療で骨が回復した症例
2026/05/31
目次
「過去に神経を取った歯なのに、奥歯の痛みが続いている」
今回は、左上の奥歯に痛みがあり、みつおデンタルクリニックに来院された患者さんの再根管治療の症例です。
患者さんは以前、左上の奥歯の神経を取る治療、いわゆる抜髄を受けていました。その後、痛みが出たため、かかりつけの歯医者さんでレントゲンを撮影したところ、根の先に病巣があると言われたそうです。
しかし、
「根の中の薬は根の先まで入っているように見えるので大丈夫です。しばらく様子を見ましょう」
と説明を受けたとのことでした。
ただ、様子を見ても痛みは引かず、みつおデンタルクリニックを受診されました。
レントゲンだけでは見えないことがある
来院時のレントゲンを見ると、たしかに根の先近くまで薬が入っているように見えました。
しかし、レントゲンは立体の歯を平面として写す検査です。根の中の細かい形や、薬が本当にすき間なく入っているかまでは、すべて正確にわかるわけではありません。
今回の歯では、根の先端から約1mmの部分が強く湾曲していました。そして、その曲がった根の先に、神経の取り残しがあり、薬も十分につまっていないように見えました。
つまり、実際には根の先の細く曲がった部分に感染源が残っていた可能性がありました。わずか数ミリでも何億という細菌が存在します。そのため根に病巣ができてしまったと考えられました。
CTで見ると、骨に穴が空いていた
CTで確認すると、根の先に大きな病巣があり、周囲の骨が吸収されて穴が空いたような状態になっていました。
これは、根の中に細菌感染が残り、その影響で根の先の骨が溶けている状態です。患者さんの痛みも、この根尖部の炎症が関係していると考えられました。
レントゲンでも病巣は確認できますが、病巣の大きさや骨の吸収の広がりは、CTで見た方が把握しやすい場合があります。
根の中は単純な丸い管ではない
根管治療が難しい理由のひとつは、根の中の形が複雑だからです。
根の中は、きれいな円形の管ではありません。実際には、楕円形をしていたり、強く曲がっていたり、途中で細くなっていたりします。
また、複数の根管がある歯では、根管と根管の間に「イスムス」と呼ばれる細い通路のような部分が存在することもあります。
このような場所には、通常の器具が届きにくいことがあります。そこに古い神経組織や細菌が残ると、根管治療後も痛みや根尖病変が続く原因になります。
そのため、根管治療では「薬が根の先まで入っているか」だけを見るのでは不十分です。根の形、湾曲、楕円形の部分、イスムス、枝分かれなどを予測しながら治療を進める必要があります。
強く曲がった根の先まで処置を行った
今回の症例では、まず予想通り根の先端1mm付近の強い曲がりが問題でした。
このような根管では、無理に器具を進めると、本来の根管の道から外れたり、段差ができたり、器具が破折したりするリスクがあります。
そのため、根の形を慎重に確認しながら、形状記憶の器具(ニッケルチタンファイル)を用いて少しずつ根管拡大を行いました。問題となっていた強く曲がった根の先まで器具を届かせ、残っていた感染源を取り除くことを目指しました。
また、この歯の神経の管は2つありましたが、その2つの間が溝(イスムス)でつながっていました。そこにも細菌が存在する為、器具で感染源を取りました。
根管内を拡大した後は、洗浄も重要です。器具が触れられる場所には限界があるため、洗浄液で根管内を洗い流す必要があります。強力な超音波洗浄器ピエゾフローで洗浄しました。
MTAセメントで根管充填
根管内の処置後、MTAセメントを用いて根管充填を行いました。
MTAセメントは、根管治療、穿孔部の封鎖、外科的歯内療法、神経を残す治療などで使われる材料です。
ただし、MTAセメントを使えば必ず治るというものではありません。大切なのは、根管内の感染源をできるだけ減らし、根の先まで丁寧に処置し、そのうえで封鎖することです。
今回も、強く湾曲した根尖部まで拡大と洗浄を行ったうえで、MTAセメントによる根管充填を行いました。
骨が再生し、穴が塞がった
治療後、根の先にあった病巣は少しずつ改善していきました。
治療前にCTで確認された骨の穴は、経過とともに骨で満たされていきました。治療前に黒く抜けて見えていた部分が、治療後には回復している様子が確認できます。
現在、治療から3年以上が経過していますが、痛みは落ち着き、良好な状態を維持しています。
まとめ
今回の症例では、レントゲン上では薬が根の先まで入っているように見えました。
しかし実際には、根尖1mm付近が強く湾曲しており、その部分に神経の取り残しと薬がつまっていない可能性がありました。CTでは骨に大きな穴が確認され、病巣が広がっていることもわかりました。
根の中は単純な丸い管ではありません。楕円形、湾曲、イスムス、枝分かれなどがあり、そこに感染源が残ることがあります。
「薬が入っているように見えるから大丈夫」とは限りません。
根管治療後も痛みが続く場合や、根の先に病巣がある場合は、レントゲンだけでなく、症状、CT、根の形を含めて総合的に確認することが大切です。
みつおデンタルクリニックでは、歯を残せる可能性を考えるために、根の形や感染源の残りやすい場所を確認しながら、再根管治療を行っています。
みつおデンタルクリニック 院長
精密な検査と治療で歯を守る会 代表 高津光雄
健康な歯をできる限り削らない「ハーミノス虫歯治療法®【特許庁・商標登録】」を考案
トロント大学 根管治療プログラム 卒業 世界基準の精密根管治療を行い、根管治療の名医として「名医のチョイス」に掲載
大阪・梅田・天満の患者様に選ばれる精密な根管治療と虫歯治療を提供できるよう日々研鑽
│トロント大学 根管治療プログラム 卒業│
【今回の治療について】
年齢:30代 女性
治療期間:3週間(経過観察期間を含まない)
治療回数:3回
治療費: 精密根管治療費 120,000円(税込)
【精密根管治療のメリット】
・歯を抜かずに残せる可能性が高くなる。
・歯が長持ちしやすくなる。
【精密根管治療のリスク・デメリット】
・外科処置が必要となる場合がある。
・骨が再生するには時間がかかる。
・治療途中に歯が割れたり、保存が不可能と判断した場合は抜歯になることもある。
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みつおデンタルクリニック
〒530-0036
住所:大阪府大阪市北区与力町4-15 ダイナスティ与力101
電話番号 :06-6948-6232
高技術な根管治療を天満で実施
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